Complete text -- "「第30回 柴田 俊明 展 “ Variation and Unity ” < 変化 と 統一 >」開催にあたって"

03 October

「第30回 柴田 俊明 展 “ Variation and Unity ” < 変化 と 統一 >」開催にあたって

「第30回 柴田 俊明 展 “ Variation and Unity ” < 変化 と 統一 >」開催にあたって

1989年の初個展以来、34年が経ち、今回で30回目の個展となりました。

これまで、観察表現を通して目に見えない何かを探ったり、古典的表現から新たな表現を模索したり、普遍的なものから特殊なものを見つけるなど、「矛盾を成立させること」をコンセプトとして制作をしてきました。矛盾や対立をひとつの作品として「統一」していく中で、発展が生まれるからです。

このような制作に対する考え方や姿勢は、大学院以来「不可視のものを描く画家」と言われたロシア・アヴァンギャルドの画家パーヴェル・フィローノフ(1883-1941)の作品と理論を研究し続けてきたことや、2018年まで22年間、武蔵野美術学園での教育研究に関わらせて頂いたことによる影響が、様々な意味で自らの作品制作に還ってきていると実感しております。

そして絵を描くことの面白さは何かと考えた時、今惹かれるのは「変化」です。同じ動きを繰り返しても、あるいは固定されたポーズでも、モデル本人やその周囲の状況や時間により微妙な変化が生じます。風景や静物でも、時間の経過によって様々な変化を見つけることが出来ます。観察を通してそれらをみつけることが面白く感じるのです。

捉えた微妙な変化の示すものを探っていきたいと思います。

2023年10月2日
柴田 俊明
20:56:00 | tshibata | |
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