Archive for September 2019

22 September

第48回多摩美術家協会展

第48回多摩美術家協会展が始まりました。前代表・張替眞宏先生が亡くなられて、今回より私が代表を務めることになって、初めての展示です。

2日目の午後、阿部裕行多摩市長が会場に来られたので、ご挨拶し、昨年亡くなられた張替眞宏先生の遺作の前で、張替先生の想い出話などをさせて頂きました。

長年、多摩美術家協会の活動を通して、この地域の文化芸術の発展に寄与されてきた張替先生のご意思を尊重し、ご遺族のご厚意で、多摩美術家協会を通して作品を多摩市に寄贈したいというお話に対し、「願ってもない素晴らしいお話」と市長。

「張替先生は多摩市を代表する画家。その作品は多摩市の宝です」
という阿部市長の言葉が嬉しかったです。

23:18:00 | tshibata | |

05 September

セザンヌと印象派作品の違い

セザンヌの作品と印象派の作品の違いを比較してみたとき、特に目立つものの一つに、明度のコントラストがあります。

印象派が用いなかった黒を使っていることもその差を際立たせていますが、セザンヌはその明度コントラストを主に形のキワに集中的に使用しているのです。そのことで、モチーフの形態がはっきりとするだけでなく、画面全体の流れやリズムを生み出しています。つまり、これは明度対比の強調です。

その強調に対し、片ぼかしを用いることで、明度の整合性を保っている点は、ルネサンスのスフマートと同じですが、スフマートがよく観察しないとわからないくらいに自然に変化させているのに対し、セザンヌははっきりとわかるようにグラデーションしています。

そしてこれは、セザンヌの「モデュレーション」、ルフレ(色の反映)の理論をより効果的にみせていると考えられます。

明度コントラストを強めることは、明度差を広げることであり、明部をより明るく見せることが出来ます。結果的に、明部の明度段階をより増やすことを可能にするのです。
11:23:00 | tshibata | |